今の結婚式はこう変わっている
かつて結婚式といえば、親族や会社関係を招いた格式高い披露宴が定番でした。しかし最近は様相が異なります。ゲストに感謝を伝えること、一緒に楽しむ時間を共有することを軸に据えた、自然体のウエディングパーティ形式を選ぶカップルが増えています。
挙式スタイルの選択肢も広がり、教会式が最も多く選ばれている一方、人前式を選ぶカップルも増加傾向です。宗教や形式にとらわれず、自分たちらしさを優先する空気が広がっているのです。
一方で、選択肢が多いからこそ迷う人も少なくありません。よくある悩みは次のようなもの。
- 親族への配慮——両家の両親が伝統的な神前式を望むケース
- 予算との折り合い——希望するスタイルが想定予算を超えがち
- ゲストへの負担——遠方からの参列者の移動や宿泊を考慮した会場選び
こうした悩みを解消するには、まず挙式スタイルごとの特徴を正確に理解することが近道です。
教会式・神前式・人前式の特徴と費用
教会式(チャペル式)
バージンロードを歩き、神父や牧師の前で永遠の愛を誓うスタイル。映画やドラマの影響もあり、日本で最も人気の高い挙式です。信者でなくても、ホテルや専門式場のチャペルで挙式できるプランが一般的になっています。
ステンドグラスとパイプオルガンに包まれた厳かな空間は、参列者の記憶にも残りやすいもの。ベールダウンやフラワーシャワーなどの演出も取り入れやすく、華やかな一日を演出したいカップルに向いています。挙式のみの費用は10万円から20万円程度が目安。衣装代や写真代は別途かかります。
神前式
神社や神殿で行われる日本古来の伝統的な挙式です。白無垢や色打掛といった和装で臨み、三々九度の盃や玉串拝礼といった儀式を通じて神に結婚を報告します。両家の親族のみで行うのが基本で、格式を重んじる家族や、和装に憧れがある花嫁に人気です。
挙式費用は5万円から20万円以上と幅がありますが、衣装の着付け代やかつら代が別途かかる点には注意が必要です。神社によっては挙式後の写真撮影やお下がりの費用も加算されます。
人前式
宗教や形式にとらわれず、参列者全員の前で結婚を誓うスタイル。場所も進行も自由で、ガーデンやビーチ、レストランなどふたりの好きな場所で行えます。家族や友人を巻き込んだオリジナルの演出がしやすく、ゲストとの距離が近い温かい式を希望するカップルに支持されています。
費用は会場や演出内容によって大きく変動します。宗教色がないため、さまざまな価値観のゲストが集まる場合にも適しています。
| スタイル | 費用目安 | 雰囲気 | 向いている人 | 注意点 |
|---|
| 教会式 | 10〜20万円程度 | 厳かでドラマチック | 華やかな演出をしたい人 | 衣装・写真代が別途 |
| 神前式 | 5〜20万円以上 | 伝統的で格式がある | 和装に憧れる人・親族中心 | 着付け代・かつら代がかさむ |
| 人前式 | 演出内容で変動 | 自由でアットホーム | オリジナル演出を楽しみたい人 | 場所・演出次第で費用が膨らむ |
会場タイプと選び方の実践ステップ
挙式スタイルを決めたら、次は会場選びです。日本には大きく分けて4つのタイプがあります。
ホテルは格式が高く、宿泊設備やサービスが充実。遠方からのゲストの宿泊も同じ場所で対応できるため、親族の負担を軽減できます。収容人数も多く、50名から300名規模の結婚式に対応可能です。
ゲストハウスは一軒家を貸し切るプライベート感が魅力。独立型チャペルや庭園を備えた施設も多く、自由度の高い演出ができます。20名から150名程度の少人数から中規模の結婚式に人気です。
レストランは料理の質を重視するカップル向け。10名から80名程度の少人数でアットホームな雰囲気を楽しみたい場合に最適です。
専門式場は挙式・披露宴の運営ノウハウが豊富で設備も充実。伝統的なスタイルから最新の演出まで幅広く対応できるため、初めての結婚式準備でも安心できます。
会場選びで後悔しないためのコツは、最大収容人数ギリギリで考えないこと。最大80名の会場に80名を入れると窮屈に感じるため、最大人数より10名から15名ほど少なめで検討しましょう。
実際の結婚式場の選び方は以下の手順で進めるのがおすすめです。
まず、ふたりの譲れない条件を3つだけ決めます。料理の質、アクセスの良さ、雰囲気、予算、立地……希望を挙げればキリがありませんが、優先順位トップ3を決めておくと比較検討がぐっと楽になります。
次に、招待したいゲストの人数を具体的にリストアップします。親族のみの少人数婚なのか、友人も含めた60名から80名規模なのかで、選べる会場は大きく変わってきます。
その上で、SNSやポータルサイトで情報収集を始めましょう。InstagramやPinterestで実際に結婚式を挙げた先輩カップルの写真を探すと、リアルな式の雰囲気や演出例が見つかります。
気になる会場が絞れたら、ブライダルフェアへ足を運びます。当日の雰囲気や料理の試食、衣装の試着体験など、サイトの情報だけでは分からない部分を実際に確認できます。複数の会場を比較してから決めるのが鉄則です。
最後に、見積もりを現実的な内容で作成してもらいましょう。初期見積もりは最低限の項目しか含まれていないことが多く、衣装、美容、装花、引き出物などをすべて含めると費用が大きく膨らむケースがあります。都内のゲストハウスで人前式を挙げた30代のカップルは、見学の段階で現実的な見積もりをもらっておけばよかったと振り返ります。こうした後悔を避けるためにも、見積もりは必ず実際に必要な項目をすべて含めた内容で依頼してください。
地域ごとの特色と費用の考え方
日本では地域によって結婚式の文化にも特色があります。関西ではゲストを笑わせる賑やかな演出を好む傾向があり、北海道や沖縄ではリゾート地でのゲストハウス型の結婚式が人気です。観光を兼ねた家族婚を選ぶカップルも多く見られます。
遠方からのゲストが多い場合は、駅からのアクセスや宿泊施設の有無を優先的にチェックしましょう。特に年配の親族がいる場合は、移動距離が短い会場を選ぶことで当日の負担を大きく減らせます。
結婚式の総額は、挙式・披露宴・ウェディングパーティーを合わせると平均的な規模で300万円台が一つの目安です。内訳で最も大きな割合を占めるのは料理と飲み物、次いで衣装、挙式費用と続きます。
費用を抑えたい場合は、平日や季節オフシーズンの挙式を選ぶ、衣装の持ち込みが可能な会場を選ぶ、招待客を絞って少人数婚にするといった方法が考えられます。両家の顔合わせや結納を行う場合は、その分の費用も考慮が必要です。結婚にまつわるすべての費用を合計すると400万円を超えることも珍しくありません。無理のない資金計画を立てるためにも、早い段階から費用の全体像を把握しておきましょう。
ふたりらしい結婚式を叶えるために
結婚式はふたりの新しい門出を祝う大切な一日。スタイル選びに正解はなく、教会式の厳かな空気も、神前式の伝統的な美しさも、人前式の自由な温かさも、それぞれに魅力があります。
大切なのは、ふたりの価値観とゲストへの想いが一致した場所と形式を選ぶこと。まずは話し合いを重ねて、ふたりらしい結婚式のイメージを膨らませてみてください。式場見学の予約は、そのイメージが固まってからでも遅くはありません。忘れられない一日は、きっとそこから始まります。